【ボディガードの会社】身辺警備|料金の相場は?普通の人でも払える金額なの?

この記事の著者:一般社団法人 暴犯被害相談センター
代表理事 加藤一統 (ボディガード歴25年)

紙幣

ここ10年ほど、ボディガードのご依頼は、
個人の方からによるものが半数近くを占めます。

以前までボディガードの需要は、
法人様によるものがほとんどで、
内容としては、ビジネス上のトラブルに、
「ヤクザ」や「政治結社」が介入し威嚇や脅迫を受けている、
というのが大半を占めていました。

今でもいわゆる、
「反社会勢力」による被害のご相談は、一定数いただきますが、
親族間トラブルや、
元交際相手とのトラブルなど、
「一般の方」からのご依頼が大変増えています。

これは民間ボディガードの認知度が上がったためと思われますが、
料金的にも現実的であることの証明と言えます。

1【ボディガードの料金・相場は?】普通の人にも依頼できる金額なの?

結論から言うと、
現実的な十分にご依頼可能な金額です。

もちろん内容によりますが、
一般的なサラリーマンの方でも、
十分ご利用いただける料金帯です。

1-1 ボディガード料金は現実的

ピンクの豚の貯金箱

15年くらい前まで、
日本でのボディガードのご依頼の内容は、
ほとんどが企業の役員様の警護など法人関係からでした。

しかし、この10年ほど、
一般の方からのご依頼が徐々に増加して、
近年では全体の4割に及びます。

実際に皆さんの身近にいらっしゃるような、
ごく普通の方が巻き込まれたトラブルの、
ご相談をいただく事も少なくありません。

ただし、一つだけ付け加えると、
企業の役員様や海外スターの場合、
24時間:365日間、数名体制でガードする事も珍しくなく、
そういった長期契約になると、個人の方では難しいです。

ハリウッドセレブの場合、
不特定多数のストーカーを警戒する必要があるため、
常時の警護体制が必要です。

警備の規模によりますが、
その場合は、最低でも年間4千万円程のコストが発生します。
(中には年間数億円の警備コストをかけているスターもいる)

しかし、
一般の方で、年中無休の警備体制が必要なケースはほとんどありません。

「必要なタイミング」のみに絞ってご依頼いただければ、
十分な警護が可能です。

例えば
「週に2日で各日4時間」のように、
本当に必要な時間や曜日にのみご利用すれば十分なので、
かなり現実的な金額になります。

1-2 普通の人がボディガードを依頼。それってどんな時?

個性のイメージ十人十色

冒頭でも触れたように、「親族間のトラブル」「元交際相手とのトラブル(ストーカー)」のほかにも、

  • 家庭内暴力からの引っ越しなど避難時
  • 闇金との話し合いの同席
  • 入居者がもめている集合住宅の住民総会
  • 熟年離婚したご夫婦の引越しの立ち合い
  • アルコール中毒や精神疾患の患者さんの入院サポート
  • お子さんの登下校の送り迎え
  • ブラック企業と退職希望者の話し合い
  • デート中の警護(エスコート)
  • 重要犯罪の目撃者の警護
  • 不法入国者強制送還時の空港までの移送

等々

ご依頼の例は枚挙にいとまがありません。

よろしければ、
主な事例におけるボディガード料金の目安もご覧ください。

2 よくいただくボディガードのご依頼内容と費用

とても多いのは「ストーカー被害」と「親族間のトラブル」です。

ストーカーについては、
過去の記事でも度々説明していますので、
今回はとてもご相談の多い
「親族トラブル」について、
過去の事例を基に、警備の方法と金額を解説します。

2-1 実例:親族トラブルのボディガードと料金

指輪交換結婚式イメージ

ご依頼人:60代ご夫婦(ご主人からの依頼)
場所:横浜市内結婚式場
内容:娘の結婚式の会場の警備
詳細:

この度長女が結婚する事となったが、その席に親戚の中でも評判の悪いAさんを招待する事になってしまった。
Aは以前に、別の結婚式で泥酔した挙句、事件になるほどの大暴れをして、式を滅茶苦茶にしたことがある
昔から要注意人物ではあったが、それ以降親戚一同さらに距離を置くようになった。
だがある親類が、長女の結婚をAに教えてしまい、Aは自分も列席すると言ってきた。
もちろん呼びたくはないが、断る口実が見つけられず、招待する事となる。

会場見取り図

警備方法:
Aが暴れた場合だけでなく、式に支障をきたすような予兆が見えた場合、迅速にAを排除できるように、上図のようにAの付近に3名のガード配置。
(参列者を装い、青マルのBGの位置に配置

結果:
式の開始後1時間くらいまでは問題が無かったが、やはり飲酒が進むにつれ声が大きく、言葉遣い(ヤジ)も周りの参列者が気にし始めたので、行動を開始

1,まずAと共に列席していたAの妻に先に一人でご退席をお願いした。
 (※Aの妻には、事前に警備の対応について説明済み)

2,Aの両脇に各1名&サポート1名の計3名で、出入口のから迅速に会場外へAを排除

3,式場サイドに用意しておいてもらった別室にAをお連れして、穏便に帰宅していただくよう40分ほど説得を行う。

4,Aをタクシーで最寄り駅まで送り、帰りの電車に乗車した事を見届けて警備終了。

この場合の料金
警備料金=90,000円(税抜き)+ 交通費4,200円(都内~横浜の往復×3名)

※この事例はボディガードというよりも会場警備ですが、近似の事例が個人様からの依頼では最も多いです。

2-2 その他の個人様からのご依頼内容

葬儀

ストーカーや元配偶者の暴力に関するご相談は、依然として多いです。
そのため過去に別の記事で、数回にわたり対策などを説明しました。

【ストーカー被害 対策】相手の行動を予測する11+5チェックリスト

【ストーカーとDV被害】解決!元彼や夫の暴力からあなたを守るお仕事

今回は結婚式を事例にしましたが、同じく親族に関するトラブルでは、
葬儀の場でのトラブル防止も多く寄せられるご相談のひとつです。

式典の場は、
不仲が理由で、滅多に顔を合わせない方同士が、
会わざるを得ない事が多くあります。

そのため、
大きなトラブルに発展してしまうケースが、少なくないのです。

他に、同じく結婚式の警備の場合
警戒する相手が親類ではなく、
元交際相手である事が非常に多いです。

ダスティンホフマンの映画「卒業」と同じシチュエーションですが、
現実は単なるストーカーによる迷惑行為で終わります。

夫の激しいDVから逃げるため、
身体一つで非難した奥様が、
自分の荷物を取りに行く際に、ボディガードを付けるという事案もありますし、

家庭内暴力いじめに関する内容まで、
多くのご相談が寄せられています。

2-3 ボディガードは、政治家やスターだけのものではない

信号を横断する大勢の人2

ご依頼いただく上で一番の障害は、
ボディガード業の認知度の低さ。

その次が誤った料金のイメージだと思います。

仮に日本にボディガードが存在する事をご存知の方でも、
多くの方は、高額な料金イメージなさっています。

そのため、トラブルが身に降りかかったとしても、
ボディガードに依頼しようと考える方は多くないのです。

さらに、ボディガードの顧客層のイメージが、

「ハリウッドスター」「政治家」「外資系企業の役員」等、
かなりの資産家を連想させるため、
普通の人では到底払えないような料金を想像されがちです。

冒頭でも触れたように、
海外スターの中には、
年間数億円の警備コストをかけている方も確かに存在します。

しかし彼らのボディガードの規模は、
一般とはかけ離れているため、参考になりません。

(特にアメリカのミュージシャン・俳優・女優の場合、
同時に5人以上の前科持ちのストーカーに狙われた事例もあり、
総勢15名超のボディガードチームが編成されることも珍しくない)

一般の方の場合、
長期かつ、チームによるボディガードが必要なケースはほとんどありません
仮に大規模な身辺警備が必要なほどに、逼迫した状況だとすると、
警備体制の強化よりも、
安全な場所への避難など、
生活そのものを変える事に重点を置くことになります。

つまりディフェンスの方法・方向性が変わるため、身辺警備の必要がなくなります。

一般の方からのご依頼は、今回の事例のように数時間で終わる事も多く、
その場合高くても、総額10万円を超えるケースは稀です。

加藤 一統

ボデタンナビの運営者
加藤一統 一般社団法人暴犯被害相談センター 代表理事
民間警備会社で1995年より身辺警備(ボディガード)に従事し業界歴25年
ボディガードと探偵の依頼先をお探しの方に、条件やご要望に合う優良な警備・探偵会社を無料でご紹介。
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