【ボディガードの会社】ストーカー被害と対策|相手の行動を予測する11+5リスト

この記事の著者:一般社団法人 暴犯被害相談センター
代表理事 加藤一統 (ボディガード歴25年)

レストランでスマホを見る女性

元彼や旦那など、別れた(はずの)パートナーからのしつこいアプローチにお悩みの方。

ストーカーの被害者は88%が女性という事実を考慮して、女性の読者を対象に解説します。
(男性にも役立ちます)

なお加害者は元彼や配偶者など様々ですが、本記事では、ストーカーの一人称を「ストーカー・元彼」の二つにします。

ストーキングは恋愛の方法(?)として、ごく一部の男が選ぶ手段です。
大多数の男は選びませんので、必要以上に怖がることはありません。
ご自身の状況と照らし合わせて、正確に把握しましょう。


1,必要以上に恐れるな!ストーカーが凶悪事件に発展する確率は高くない

日差しに向かって旗を振る

警察へのストーカー被害の相談件数は、平成29年の23,079件をピークに減少傾向にあり、令和元年は20,912件となっています。

ただしあくまで警察への相談件数。
実際の被害は軽く10倍以上、少なく見積もっても21万件以上と予想できます。

令和元年に検挙された件数でみると、1,491件。
検挙内容は「傷害・監禁」等の凶悪なものから「軽犯罪法違反」なども含む計19項目から成っています。
その中でも特に警戒すべき重大な罪状に絞ると1,058件。

一見多いようですが、被害件数を21万件と想定すると0.5%
つまり200件に1件の割合という事になります。

実際の被害は0.5%以下の確率と考えると、ストーカーが凶悪事件に発展する可能性は決して高くなく、過剰におびえる必要はありません。

しかし、あなたの元彼が0.5%に該当する可能性はどれくらいなのでしょう?
またそうなった時にはどんな対抗策があるのでしょうか?

2,元彼と別れたのはいつですか?

ストーキング

ストーカーの加害者は42%以上が元交際相手、8%が配偶者で、ストーカーの半数を占めます。
(因みに同僚や友人は約25%、面識のない相手や犯人不明が約25%)

つまり元々は恋愛関係にあった相手であることが多く、交際・婚姻期間の長さは相手の執着度を測る一つのバロメーターになります。

良い例えではありませんが、長期間愛用した品は、モノの場合でも手放すのがつらいですよね?
ストーカーも交際期間が「3か月」と「3年」では執念がちがいます。

またストーキングという行為には、大変な労力が必要です。
忙しい人より暇な人の方が、ストーキングにかかわる時間と量が圧倒的に多く、費やしたコストと期間は、そのまま「あなたへ想い」に変わります。
被害者には恐ろしい事ですが、スト-カー本人も意識せずに、相手への感情を熟成させているのです。

一般的に、交際期間が長いほど執念深く、短い方が諦めやすい傾向があります。

さらに婚姻関係がある場合は、元妻を自分の所有物と思い込んでいる場合があり、簡単にはあきらめません。

すべては個々のストーカーによるので、あなたの元彼が当てはまるとは限りませんし、当てはまらない可能性の方が高いといえます。
(くどいようですが、失恋してもストーキングを選ぶ男はごく一部)

次項ではあなたの元彼の「ストーカー気質」を調べてみましょう。

3,元彼は自分がフラれたことに気付いてる?(あなたとストーカーは見えているモノが違う)

oneway

あなたとストーカーでは、認識が真逆である可能性があります。
わかりやすく説明しましょう。

下記の会話をご覧ください。

  あなた:彼とは別れた。
ストーカー:彼女とはケンカ中だ。

  あなた:電話でも伝えたし、ラインも無視してるから察してるはず。
ストーカー:ラインに既読がつかない。スマホ確認できない状態なのかな?(心配だ)

  あなた:今は混乱してるから一人にして!
ストーカー:だったら、そばにいてあげるよ!!

心当たりがありませんでしょうか?

加害者と被害者では、話が全くかみ合わないのです。
しかしこの段階では、あなたへの敵意はありません。

今後元彼がストーカーになる危険はあるのか?
自分一人で解決できるのか?
次項では元彼が豹変する可能性を予測してみましょう。

4,チェック項目

チェックリスト

ではあなたを悩ませるストーカーがどういった人間か?
他の人に説明できるくらい、具体的に理解しましょう。
ストーカー対策は、家族・友達・警察など第三者への相談から始まります。
誰に相談するにせよ、具体的なイメージを共有できるように説明することで、周りの人も協力やアドバイスがしやすくなります。

4-1相手の本質を知る11のリスト

ハンドサイン11

これはボディガードの現場でも使われている、暴力を予測するチェックリストです。

以前【問題社員|解雇トラブル】クビにした元社員と上手に付き合う方法
で紹介した内容をストーカー用にアレンジしています。

  1. 融通が利かず自分の非を認めない。
  2. 頑固。一度決めると不便・不合理でもやり方を変えない。
  3. 自分の意見を否定されると激高する。
  4. 報道された暴力事件の犯人や動機に理解を示す。
  5. 「どうせ無理」などネガティブな発言が多い。
  6. あなたの友達から好かれていない。
  7. 彼自身の交友関係が良くない。
  8. 無駄にまじめなところがある。
  9. 根拠もなく自身を過大評価している。
  10. 家事やファッションなどあなたの領域に過剰な口出しをする。
  11. 別れた後、あなたの周りの人に復縁の手助けを求める。

心当たりはありましたでしょうか?
本来は他に「前科の有無・躁鬱傾向・前の彼女と別れた理由etc」加わりますが、解かりやすい部分を抜粋しています。

4-2相手の行動を予測する5のリスト

ハンドサイン5

次に以下の5項目をご覧ください、ここからが本番です。

  1. 認識のずれ:周囲から見たら別れて当然の理由があるが、相手はあなたのわがままだと本気で思い、周囲にもそう言っている。
  2. 家族:特に守るべき家族がいない。逮捕されても迷惑する身内が居ない。
  3. 暴力性:そもそも暴力的で直情径行がある。または武器や軍事に関心が高くそれらに関する蒐集をしている。
  4. 新しいパートナー:あなたと別れた後は独り身のようだ。日々時間を浪費している。
  5. 選択肢:既に裁判や話し合いなどの選択肢がなく。自分の尊厳を取り戻す方法は暴力以外無いと思っている。


4-3リストの使い方

評価査定リスト

これらのリストは11個の内何個当てはまると危険とか、5個中何個しか当てはまらないから安全という使い方ではありません。

あなたがお持ちの抽象的で、表現の難しい恐怖や不安を言葉に変えて、ストーカーの人間性を冷静に見直すためのツールです。

お気づきの方もいると思いますが、上記リストは特別な人間に当てはまるものではなく、誰が持っていてもおかしくない性質です。

重要なのはこれらのバランスと、元彼が現在どのような状況(状態)か?を正確に判断する事です。

まずは11項目の中から適合するものを抜き出し、相手の性格を実際言葉にしてみてください。
例えば以下の4つに当てはまるとしましょう。

1,融通が利かず自分の非を認めない。

3,自分の意見を否定されると激高する。

8,根拠もなく自身を過大評価している。

9,家事やファッションなどあなたの領域に口出しする。

このばあい別れた彼は以下のような人間であると説明ができます。

1,仕事が長続きしないのを職場の人や私のせいにして

3,毎日ダラダラしてるので「仕事を探せば」と言うと逆切れして

8,プライドだけは一人前だから、俺が本気出せば仕事なんて簡単に見つかる!なんて見栄を張るの。

9,そのくせ関係ないくせに、私の会社は経営者が甘いとか知ったか振るのよ。あと私の服やアクセサリーにも細かく指示するし・・・

例がイマイチ下手かもしれませんが、
このように説明すると、第三者にも人間像が伝わりやすいです。

この彼の場合ストーカーに豹変しそうでしょうか?
もう少し掘り下げてみましょう。

今度は下記の5つのリストを使います。

〇認識のずれ:自分は悪くないとは思っている。多分周りにも私が悪いと吹聴している。

×家族:田舎に両親がいるらしい。両親には無職を隠している様子。

×暴力性:怒ると大声を出すが、激しい暴力はなかった。武器に対する興味も特には無さそうだった。

〇新しいパートナー:多分新しい彼女はいない。

×選択肢:週2くらいでラインが来るが、内容はほとんど謝罪と一度会いたいばかりで脅し的な表現はない。


4-4大事なポイント

ポイント虫眼鏡

この例の元彼の場合、今のところ危険な兆候は見られません。
今後の動きに注視しなければなりませんが、なぜ危険度が低いと判断したのかを検証します。
まず5つのリストでチェックが付かなかった3点に注目してみましょう。

  • 家族:田舎にいる両親との関係性は分かりませんが、無職をあえて隠している点から推察すると「心配を掛けないようにしている」とも考えられ、家族に迷惑のかかる「暴力犯罪」は本人も避けたいはず。
  • 暴力:交際期間にこれといった暴力が無かったのは朗報。
    基本的に問題解決に暴力を用いるという発想を持っていない可能性が高い。
  • 選択肢:ここにチェックが入る場合は赤信号です。
    ほとんどのストーカーは尊厳回復の手段として暴力を使います。
    逆に、暴力以外に自分の存在をアピールする方法がある場合や、形はどうであれ関係を継続できる間は暴力以外の方法を選びます。
    暴力で負うべき代償(逮捕・服役・刑罰)は、彼も理解しているのです。

以上のリストから心当たりをさぐりましょう。
危険度が低いと感じた場合は過剰に恐れずに、とにかく接触を一切断ち、相手からの連絡にも応えてはいけません。

5,やるべき事とやってはいけない事

一口にストーカーと言っても色々なタイプがいますので、万能なマニュアルはありません。
しかし多くの場合に当てはまる「原則」は存在します。

5-1危険度が低い場合

歩行者用信号青

ポイントは、相手の動きに注意を払いつつも「一切の接触を断つ」ことです。

前項で触れたように、コンタクトを許してはいけません。
電話・メール・ライン・直接会うなど全てです。

実はストーカーとの関係をたち切るには、距離を置いて感情が冷めるのを待つ以外に方法がないのです。
相手の気持ちが冷める前に少しでも接触してしまうと1からやり直しになります。
(接触とは電話に出る事、メールに返信する事など全てを含みます)
相手が何を言って来ようと反応してはいけませんし、ラインの既読ですら相手は反応と受け取りかねません。

あなたがストーカーと話すことなど、今更ないはずですよね?
話しがあるのは相手だけです。
もしも会ったり話したりするのであれば、本当に必要があるのか?
よく考えたうえで、お決めください。

5-2危険と判断した場合

歩行者用信号赤

これまでの方法では解決が難しいと思われる方や、すでに相手との関係が悪化しており危険な場合は引越しも考えなければなりません。

経済的・心理的な負担を考えると、被害者にはさらなる追い打ちです。
全く理不尽な話ですが、万一の備えは重要です。

ストーカーの対策には、「こういう時はこうする」といった型通りのマニュアルはありません。
しかし一つ言えることは「ストーカーと直接会う事だけはやめるべき」ということです。

相手が何を言ってこようが、実際に会ったところで、あなたには一切メリットはありません。

直接会って話したら付きまといをやめるような相手なら、はじめからストーキングなどしません。
むしろ一対一で会うことは危険しかないのです。
(話し合いや交渉の通じない相手である事はご存知なはず)

もしどうしてもストーカーと会わざるを得ない場合は、
取り急ぎお住い所轄の警察署と専門家に早急に相談して、判断を仰いでからにしてください。

加藤 一統

ボデタンナビの運営者
加藤一統 一般社団法人暴犯被害相談センター 代表理事
民間警備会社で1995年より身辺警備(ボディガード)に従事し業界歴25年
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50歳にしてブログ初挑戦になりますが、長い業界歴を生かし「読みやすく価値ある」記事を目指します

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